肌はなぜ保湿が必要?理由とは…

「肌はきちんと保湿をしましょう」とよく聞きますし、それに疑問を感じることもなく保湿ケアを行っている人は大勢いらっしゃることと思います。

でも、ふとした瞬間、「そういえば、なぜ保湿が必要なんだろう?」と思いついたりすることがあるでしょう。今この記事をお読みになっている方も、もしかしたらそうではないでしょうか。

というわけで、肌に保湿が必要である理由を説明していきたいと思います。私なりの個人的意見も入っているので、ある程度遠目のつもりで参考にしていただけたら幸いです。

「肌を保護するため」…これが鉄板!

人それぞれによって、保湿をする目的というものは違うかもしれません。しかし、どんな目的であっても、行き着くところは「肌を保護するため」だと私は考えています。

それについて理解するには、まず肌の仕組みを知る必要があります。

肌は元々、保湿成分等で満たされている

ご存知の方も多いと思いますが、肌には水分や保湿成分(ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、NMF、細胞間脂質など)で満たされています。

肌は、表側から順に、表皮と真皮から成っており、その前者の表皮は、表側から順に、角層・顆粒層・有棘層・基底層から成っています。

化粧品の成分は、最も表側である角層まで及ぶことになっているのですが、角層には元々、水分と油分から成る細胞間脂質、アミノ酸を主成分とするNMF(天然保湿因子)があります。また、角層の外側には、皮脂膜と呼ばれるバリアが張られ、肌を守っています。

保湿成分があるお蔭で、私たちの肌は弾力性を持ち、しなやかになります。また、外からの刺激をやわらげるクッションにもなり、異物の侵入を防ぐことにもなります。保湿成分が無ければ、これらを果たせず、肌は傷み、菌の感染もしやすくなります。

肌機能は常に安定ではないし、衰える

「肌に元々保湿成分があるのなら、わざわざ化粧品を使う必要はないではないか」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

でも、それは早計です。たしかに、若いうちは大丈夫であることも多いでしょう。例えば、元気な高校生なら、保湿をそこまで頑張らなくても、肌はある程度勝手にうるおってくれます。

ところが、歳を重ねていくと、体は当然老化します。体が正常に機能しなかったり、思うように動けなかったりします。肌も例外ではなく、元々備わっている保湿・保護機能が不安定になります

また、20代という若さであっても、体調の変化などによって、毎日が同じ肌コンディションとは限りません。ある日は乾燥しやすく、またある日は調子が良く、そうかと思ったら急にニキビができたりします。それに、角層の外側にある皮脂膜は、洗顔や刺激で簡単に剥がれ落ちます。

肌は生き物で、完璧ではないのです。歳を重ねるごとに不安定になる頻度も増え、肌の不調は増えます。これはもう、自然の摂理と言わざるをえません。

弱みを補うのが、化粧品による保湿ケア

肌が不安定になることが増えると、当然、外的な影響を受けやすくなります。すぐに傷が付いたり、炎症を起こしたり、菌に侵されてニキビができたり、乾燥小じわが増えたりします。逆に肌の機能が暴走して、油っぽくなって不浄肌となることもあります。

肌は薄い膜(角層だと 0.02mm ほど)ですから、ちょっとやそっとの摩擦や刺激で傷みます。いくら薄くても、保湿成分でバランス良く満たされていれば柔軟に刺激に対応できるものの、機能の不安定な状態ではすぐに傷んでしまいます。

「別にそうでも構わない!」というのであれば、それはそれで良いかと思います。しかし、肌が傷みすぎては、痛みや痒みによる不快感を感じやすくなったり、皮膚病を起こしやすくなったりしかねません。

だから、あらかじめ肌の保護が必要なのです。そして保護には保湿成分が必要。でも肌は常に安定しているわけではないので、その弱みを化粧品による保湿ケアで “補う”、というわけです。

なお、化粧品はあくまで予防線を張るためのものですので、傷んでしまって治療が必要となったときは、化粧品ではなく薬などに頼ることになります。化粧品は、治療ではなく、あくまで保湿ケアを中心とした役割を担っています。

「美しい肌にするため」…はその先にある

上では、「肌を保護するため」というのを保湿の理由として挙げました。あくまで、人間の生理的な部分でのお話でした。

でも、多くの女性は、「保護する」ということよりも「美しい肌」というものを求めてケアに勤しんでおられることと思います。

「美しい肌にするために保湿する」という目的は、「肌を保護する」ことの先に存在します。逆をいえば、美しい肌にしていくためには、肌を保護する必要が前提にあります。保護をせずして美しくはできません。たとえできても、それは “臭い物に蓋をする” ということになります。

肌がきちんと保護されていれば、肌はしなやかになります。すると、なお保湿成分の浸透力は高まり、好循環を生みます。その分肌も安定しやすくなり、メイクの乗りも改善します素肌が良ければ、メイクアップ効果は倍増です。

もちろん、老化には勝てやしませんが、保湿を行うのとそうでないのとでは、結果は大きく変わってくることでしょう。

保湿ケアだけでは不十分

保湿ケアは、歳をとるごとに大切な作業となってきます。しかし、保湿ケアだけを入念に行えば良いのかといったら、そうではありません。

化粧品による保湿効果は、先ほど申し上げたとおり、角層までにしか及びません。角層は、肌の最も表側にあり、爪でガリッとやるだけで削れてしまうくらい、本当に薄っぺらいです(約 0.02mm)。よくあるキッチン用ラップ一枚程度です。

たったそれだけの厚さまでしか化粧品の効果は及ばないのです。なのに肌は、角層の下に顆粒層・有棘層・基底層とあり、これらをひっくるめて表皮となっています。この表皮の厚さは約 0.2mm 。その下の真皮の厚さは約 1.8mm 。さらにその下は皮下組織・・・。

そう。角層なんて、肌のほんの一部分なのです。角層は、肌を保護する門番のような重要な層ですが、ここだけケアしても足りません

ではどうしたら良いかというと、内側からケアをしてやることです。肌の奥には化粧品の効果が及びませんから、摂取した栄養分や水分が、きちんと肌の内側まで行き渡るようにする必要があるのです。

つまり、栄養バランスを考えた食事を行い、きちんと睡眠もとり、ストレスを溜め込まないようにして、体の全機能を整えてやることが重要です。

これはとても面倒ですし、必ずしも思いどおりにならないので難しいところです。が、そこまでやって、はじめて肌の「保湿・保護」と言えると思うのです。化粧品だけで満足のいく結果が出ていない場合は、生活面を見直してみると新たな発見があるかもしれませんね。

思ったより、保湿ケアは一生懸命でなくても良い

「保湿ケアは命です」と言う人がいますが、気持ちは何となく分かります。ただ、それを主軸に考えてしまうと、本当の美容道を見失いかねません。

あらゆるメーカーや美容ショップは、商売ですから、当然化粧品を強く勧めてくることと思います。

たしかに化粧品は必要な物かもしれませんが、あれこれ取り揃えようと路頭に迷うよりは、まずは生活面を見直すことが大切ですね。

そして買うべき化粧品は、ある程度しっかりした物であれば、あまり難しく考える必要はないと思います。自分に合った化粧品を使うことが一番ですが、それを見つけたら、地味に地道に使っていくだけで良いでしょう。何か特別なことをしようと考えなくても良いかと思います。

でもまあ、たまにスペシャルケアで、美顔マッサージやピーリングや、普段やらないような贅沢ケアをしてみても良いかと思いますが、大切なのは、やっぱり内側からの美。その主軸をブラさないよう、気をつけてケアを続けていきたいものですね。

  お伝えし忘れましたが、紫外線対策は重要です!夏はもちろん、冬でも外に出ることが多い場合は日焼け止めを忘れずに!