ねばならない思考と肌

思わず、「~せねばならない(なければならない)」「~すべきだ」「~して当然でしょ」などという思考に至ってはいませんか?特に、真面目な方や完璧主義の方は、そういう考えに至りやすいかと思います。

私は、そういう考え方はときには必要ですし、人生に程良い波をつくるためにも欠かせない思考だと考えています。ただ、しょっちゅうその思考をしてしまっているのはあまり好ましい状態ではない気もしています。

そこで今回は、当サイトのテーマである肌の美容の観点から、ねばならない等の思考が招くストレスについて考えていきたいと思います。心理学的な学術記事ではないので、是非気楽な気持ちでお読みくださいね。

ねばならない思考はストレスを生む

ある女性と会話やメッセージのやり取りをしていたところ、あるワードを連発していることに気付きました。それはずばり、「~ねばならない」や「~であって当然」「~である以外考えられない」。

例えば、立ち寄ったお店で商品の配置が少しでもズレていると、「きちんと並べておかないといけないでしょう!お店の人は何をしていらっしゃるのでしょうね!」と憤慨して整理し出し、罪もない私がなぜか怒られた気分になる…。その人は、リラックスタイムでも「ふぅ~」と落ち着くのではなく「ここで安らぐべき」と考えてしまいます。

そういった思考は、使命感や正義感といったものを感じさせ、ときに頼もしくも見えますが、しょっちゅうそういった思考をしている人は、使命感でも正義感でもなく「義務感」を感じているのではないかと私は思うのです。

義務というと、そこに自由は無く、融通が利かないといった印象があります。義務も必要な場合がありますが、日常のあらゆるものにまで義務を求めると、とても窮屈で、心に余裕がなくなってしまいます。ほかの可能性を考えられない、いわば「思考停止状態」に陥ってしまっているわけです。

心当たりはありませんか?普段は自由奔放な性格であっても、心理状態によって義務感が強くなり、知らず知らずのうちに「ねばならない」思考に陥ってしまうことは…。

そうなると、周りに対する視野が狭くなり、背負わなくても良い十字架を背負っていくことになります

その十字架は、どんどん大きくなりますし、すごく重くなります。そして、そのプレッシャーによりストレスが増大し、だんだんと息苦しさを感じるようになり、体の美容や健康までもを阻害するようになってしまいます。

心理的ストレスによる肌の不調

肌の不調の原因はさまざまなので、心理的ストレスだけを敵視するのは行きすぎです。しかし、心理的ストレスが肌の不調の一因となる可能性があるのも現実です。

肌に不調が生じる理由

自律神経というものをご存知ですか?非常に簡単にいうと、体のリズムや調子のバランスをとるための神経です。全身に分布しており、交感神経と副交感神経とで成り立っています。

自律神経は、内臓や脳の働きと密接に関係していますが、発汗機能、胃腸の調子、睡眠の質などをはじめ、免疫機能、肌の調子、ホルモンバランスなどがその影響下にあります

ストレスを受けると、自律神経に影響が及びます。その結果、肌の免疫機能が低下してニキビができやすくなったり、代謝低下やメラニン生成によってシミが残ったり、うるおいが減ったり、はたまた黄体ホルモン(※) の増加により肌が荒れやすい状態になったりするのです。

だから、ストレスによって肌の調子が悪くなるのです。

※ 黄体ホルモンとは女性ホルモンの一種で、体温の上昇、イライラ、腹痛や頭痛、ストレス感などといった月経前症候群(PMS)が見られる時期に分泌が増える(逆に卵胞ホルモンは減る)。黄体ホルモンはストレスによっても増え、肌荒れ、シミやニキビ、美意識の低下などが生じる。もしかしたら、ねばならない思考はこのときに生じやすいのかもしれない。

ストレス肌不調の対策

ストレスによる肌の不調は、負の連鎖を引き起こします。ストレス ⇒ 体や肌の不調 ⇒ 不調によるストレスや生活習慣の悪化 ⇒ さらなる不調 … という負のスパイラルに陥ってしまいやすいといえます。

そのため、まず対策としては、「いかにして負のスパイラルから抜け出すか?陥らないようにするか?」 ということが大切になってくるでしょう。ねばならない思考から抜け出すことのみならず、生活習慣を整えることも含みます。

また、そういった対策とは別に、スキンケアによって肌の調子を整えてやるというのも大切かと思います。

ねばならない思考との付き合い方を考える

最初のほうでご紹介した女性は、完全にねばならない思考にハマってしまっていたようです。実は、ご本人さえもそれに気付いていらっしゃいました。その方は、「昔は母にがんじがらめにしつけられ、そのせいで嫌でも義務感にさいなまれるようになった」と嘆いていました。それに加え、病院で神経症だと診断されたこともあるそうで、それについても「もしかしたら母のしつけが根底で関係しているかもしれない」とおっしゃっていました。

私はそれを聞いて、「病気なら仕方がないけど、元々被害者意識が強いのかもしれないなあ」と思いつつ、「ご自分の性格とうまく付き合っていけるといいですね」と伝えました。そこで彼女は「私はすぐに人のせいにするのでダメなんです。本当は自分が悪くても、自分が一番かわいいから」と、自らお話しされました。そして「そうであってはいけないので、病気とうまく付き合いつつ、この性格をうまく直してかなければなりません」と続けて口にされました。

やはり、ねばならない思考が完全に身に付いてしまっているようでした。日々その思考の連続であるのか、表面上は笑顔であってもかなり気疲れしているように見受けられました。

病気であるなら仕方がないかも

病気であるのであれば、本当に仕方がないと私は思います。彼女の場合は神経症であったわけですが、ホルモンがどうたらと、医学的にもそれは裏付けられているみたいでした。

病気が先か性格が先か、それは分りませんが、事実、病気と診断された以上は、医師との相談の上でうまく病気と付き合っていくのが良いかと思います。

昨今、病気なのか単なる性格なのかがよく議論されますが、本人が一番よく知っていることであって、正直、その本人以外である私にとっては、よく分からないことだらけです。理解には努めたいと思ってはいますが…。

できる限り、ねばならない思考から脱却しよう

ただ、彼女の生活習慣に、改善の余地があったのも事実です。まず、食事の栄養バランスが悪かったですし、睡眠生活も不安定なものでした。

病気が関係してそうなっている可能性も十分にありまえます。義務感にさいなまれて視野が狭くなることで、先を読んだり計画を立てて物事を遂行したりすることができなくなれば、生活パターンは狂ってしまいます。人との付き合い上でも、ねばならない思考はあまり良い影響を及ぼさず、トラブルが勃発して気疲れしてしまうこともあるでしょう。

ただ、もし思考を改善していけるような場合、自らその改善に努めることは無駄にはならないだろうと私は思います。

まず、生活習慣の改善ができるのであれば、やってみるのが良いでしょう。生活リズムが整えば、それは体にとっては健全で、ストレスも溜まりにくくなります。すると、心の緊張もほぐれ、ねばならない思考をしにくくなるのではないでしょうか。特に食事や睡眠は、体や心の調子と深くかかわっていますね。

また、できることなら、日頃から「~ねばならない」「~ねばいけない」「~すべきだ」「~して当然」「~して当たり前」「~に決まっている」などといった言葉をなるべく使わないようにするのも得策ですね。言葉には言霊があり、発した言葉は自分自身を洗脳します。「~しよう(してみよう)」「~すると良い」「~したい」「~することにしている」「~という可能性もあるかも」などと言い換えてみると良いかもしれません。

プラスな言葉は人をも幸せにする

「合格するぞ」と「合格しなければならない」では、どちらにプラスな印象があるでしょうか。どちらのほうが本当に合格しそうでしょうか。どちらが人生を楽しんでいそうですか。

私は、「合格するぞ」のほうが好きです。本人はどう考えているかは知りませんが、聞いた私としては、「ああ楽しんでるなあ」「その意気だ!」と声をかけたくなりますし、自分自身もヤル気が出てきます。「合格しなければならない」と聞くと、「本当に好きでやってる?」「もっと肩の力を抜きなよ」と思ってしまいます。

では、「風邪を引いたらダメ」と「風邪を引かないようにしたい」であれば、どちらが好印象でしょうか。まず私であれば、後者の発言が望ましいなあと思いますね。

人に媚びを売る必要はないですが、同じ行為をするのであれば、言葉をプラスに変換するのが吉のような気がします。言葉の印象は伝播します。ねばならない思考による義務感は、まさしく伝播力が強く、まわりの人もセンシティヴになってしまいかねません。

先ほども書いたように、言葉には言霊があります。プラスの言葉を発すると、本当にそういう気持ちに感情がシフトしていくこともあるでしょう。

ポジティヴシンキングでプラスの発言。これは、自分のみならず、まわりの人をも幸せにする可能性を秘めているのではないでしょうか。